~展望の尾根から奥多摩の秘峰へ~
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2005年11月27日(日)晴れ

マップ
6:40中央線上野原駅-[バス]-6:55石楯尾神社-7:35佐野川峠-7:50甘草水8:00-8:20生藤山8:30-8:35三国山8:40-9:05熊倉山9:10-9:55浅間峠10:05-10:45日原峠10:50-11:05土俵岳-11:35小棡峠-11:50丸山12:05-12:20笛吹峠-12:40大羽根山分岐-13:00大羽根山13:15-13:45浅間尾根登山口-14:00数馬の湯15:17-[バス]-16:05武蔵五日市駅 歩行時間:5時間50分
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黄葉残る笹尾根
黄葉残る笹尾根 拡大

朝もやの立ち込める上野原駅から、井戸行きのバスに乗る。乗客はまばらで、登山者も数名のみ。
終点から軍刀利神社を経由して登ろうかとも思ったが、いつも通り石楯尾神社(いしだておじんじゃ)バス停から歩き出す。

林道を歩き登山口へ。薄暗い植林下の急登が続く。日の光まぶしい佐野川峠は、峠らしい雰囲気のいい峠だ。
もう少し寒い、凛とした空気の中での登山を期待したが今日も気温は高め、しかし風のないのは歩きやすい。

杉林を過ぎると甘草水の休憩場に登りつく。晴れてはいるがやはり気温が高いのでもやがかかり、南アルプスの展望はない。
もう一人の登山者が追いついてきた。ラジオによると、中央線が人身事故で不通とのこと。早い電車に乗っていてよかった。おかげで、今日は人影の少ない静かな山が楽しめるかもしれない。

三国山(さんごくやま)へ直接登る道を分けて、生藤山への巻き道に入る。大方葉を落とした自然林が美しい。
縦走路に合流し、岩尾根を伝って生藤山頂上に着く。「藤野町十五名山」という標柱が立てられている。XX名山ブームの中、山の多い藤野町も地元の山を選び出したようだ。他の14山はどんな顔ぶれだろう。
富士山はもやの中、かろうじて姿を見せている。早い時間に白い背景の中に同化してしまいそうだ。
もう一人の人は陣馬山方面へ行くそうだ。その方面に行けば紅葉も残っているだろう。自分はここから反対側を行く。
生藤山頂上
藤野町十五名山・生藤山
扇山・権現山などの眺め
扇山・権現山などの眺め

三国山では権現山、滝子山、扇山、三ツ峠山など中央線沿線や御坂の山々が連なって望める。特に棡原(ゆずりはら)から権現山稜に突き上げている尾根筋の力強さが印象的だ。はるか下にゴルフ場も見えている。

下って登って、軍刀利山・熊倉山と富士山の展望のいい稜線を歩く。大方の樹林は葉を落としているが、まだ紅葉の残っている箇所もある。北西面の下り道になると、足首までもぐるほどの落ち葉で埋め尽くされている。

やがて左側が植林になり眺めがさえぎられる。杉か桧か見分けがつきにくい。葉を触ってみると、指が引っかかり気味になるので杉のようだ。片側はいつでも落葉樹林なので、暗く寒くなることはない。
林相の美しい浅間峠。今日2人目の人に会う。電車不通の影響か、やはりいつもの晩秋の休日よりも出会う人が少ない気がする。ここから笹尾根の稜線に入り、登り主体の道になる。

アップダウンを繰り返して日原峠へ。道の真ん中に地蔵碑が立っている。
両側から道が上がってきており、往時は峠を挟んだ地域同士の交易の場として栄えた峠なのだろう。今は「日本山岳耐久レース24.7km地点」の標が立っている。

しばらくは平坦な歩きやすい道が続く。少しの登りで土俵岳(1005m)。今日は大相撲冬場所の千秋楽、琴欧州はもう1勝して大関を確実にするだろうか。土俵岳の南西面は伐採が入り、富士山方面の眺めが利く。日も高くなり、富士山はもうほとんど輪郭しか見えない。
浅間峠
浅間峠
笛吹峠
笛吹峠

片側が植林帯の道は続いているが、足元には笹が茂り山深い雰囲気がしてくる。日は照っているとはいっても、高度が1000mを上回るとさすがに肌寒い。
登り着いた丸山(1098m)は植林が育って展望が全くなくなってしまった。しかし小広い山頂で少し休憩する。反対側から来た登山者は素通りして行く。

おなじみの、つややかな笛吹(うずひき)峠の碑の前に来る。ここも人で賑わった時代を思い出させてくれるような、味のある峠だ。
この先は長めのかなりきつい登りが待っている。浅間峠から来ても、三頭山からの縦走でも、この峠が下山地になることが多い。しかし今日は秘峰と言われる大羽根山を目指すため、頑張ってここを登り返す。

藤尾への道を分けて少し進むと「大羽根山」を示す標識に出会う。ここが今日の最高点、標高1110mくらいであろう。
かもがわ出版「奥多摩山歩き一周トレール」によると、ここから大羽根山まで50分とある。直線距離にして1kmそこそこの道を50分とは、いったいどんな難路だろうと思う。しかしいったん足を踏み入れると、指導標もあり平坦、直線状の道であっけないくらいにわかりやすい。
もちろん今までの笹尾根縦走路のように踏み固められているわけではなく、フカフカの足に優しい道だ。
大羽根山分岐の指導標
大羽根山分岐の指導標
大羽根山
尾根の肩のような大羽根山

敢えて上げれば最初の10分くらいの場所で、左の尾根に入り込んでしまいやすい。地図をコンパスと照らし合わせていれば何の問題もないが、左の尾根にも白いビニールテープがついているので紛らわしい。
右側(北東寄り)の尾根には指導標とともに、赤いビニールテープが続いている(テープの色は年によって変わるかもしれない)。

右に植林、左に自然林を見ながら、大した登りもないままに大羽根山に到着。分岐から20分だった。大羽根山は尾根の肩といった印象だ。木の間から三頭山が見られる。

浅間尾根登山口バス停へ向けて下山する。なお「一周トレール」では山頂から笛吹への下山道を紹介しているが、踏み跡薄く非常にわかりにくそうだ。
浅間尾根登山口コースは下り始めは急坂だが、自然林に囲まれた道もありカラマツの紅葉は最後の彩りを放っている。途中でオシタ沼?という湿地状の場所もあって、新緑や花の時期にはどんな山道になるのか興味がわく。

車道に下りるまでいかほどもなく、大羽根山から40分ほどだ。笹尾根縦走路から秋川側に下りるにはどのコースをとっても1時間ほどなのだが、この大羽根山経由の道もほぼ同じだった。
下山口から車道を数分で、浅間山登山口バス停である。1時間半先までバスがないので、数馬の湯まで歩き汗を流して帰る。


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