~昔日の峠を結ぶ明るい尾根歩き~
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マップ
笹尾根 2000.11.18 晴れ

中央本線上野原駅~(バス)~郷原バス停
~西原峠~槇寄山(往復)~笛吹峠~丸山
~日原峠~浅間峠~上川乗~下川乗
~(バス)~武蔵五日市駅


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高尾駅で特別快速の中央線から中央本線に乗り換える。ホームはハイキングの客でごった返している。
今日はいつもの山行に比べて、1時間ほど遅い。早く行っても、上野原から郷原に行くバスが無いからだ。

郷原集落
郷原集落

高尾駅まではまれにみる快晴だったのに、ひとつトンネルをくぐるとどんよりした曇り空。しかし上野原駅からのバスに乗る頃には、きりっとした青空となる。車中からは八合目あたりまで雪冠をかぶった富士山が大きい。

郷原バス停付近は、のどかな山村風景。民家の間の細い登り道を行き、宝珠寺を右に見た後、登山道へ。

西原峠までの登り尾根は、紅葉・黄葉と青空で明るく広い道だ。落ち葉をぽこぽこと踏みながら緩い坂道を登って行くのは何とも気持ちがいい。


木の間越しではあるが、常に南面の展望が有り、ところどころで切り開きもあって富士山や権現山方面の眺めが得られる。秋風に揺らぐススキの穂に、柔らかな日が降り注いでいる。

展望
展望
西原峠への道
西原峠への道

高みに登るにつれ、木々もかなり葉を落とし、空はますます広くなっていく。ほどなく道は分岐する。薄暗い植林帯に入っていく三頭山への道を分け、自然林のなお続く西原峠へと向かう。
西原峠から槇寄山(まきよせやま)の頂上までは一投足。頂上は富士山の展望台だ。その反対側には、カラマツ越しに三頭山が望める。

槇寄山から富士山
槇寄山から富士山

笹尾根は一般に、西原峠から浅間峠までの約5kmの尾根道を指す。全体がなだらかで明確な尾根道で、木の間越しではあるが、北東側に奥多摩三山である三頭山・御前山・大岳山を道連れに歩ける。また南西には時々富士山の展望も拝める。

また、この道はいくつかの峠を結んで歩く道でもあり、それぞれが昔の佇まいを今もなお残している。どの峠からも秋川、鶴川のどちらか(または両方)へ下りる道が通じている。

笹尾根のカラマツ
笹尾根のカラマツ


西原峠から笹ガ峠付近まではカラマツの黄葉が明るく、展望も開け気持ちのよい道が続く。

次第に高度を下げ、スギの植林帯に入るとしばらくして石仏のある笛吹(うずしき)峠。三頭山から下りてくる場合は、日帰りならここあたりまで来れる。今日は笹尾根を最後まで行く。

だんだんとアップダウンが多くなってくる。途中のピーク、丸山に立ち寄る。木立に囲まれ展望はいまひとつだ。

このあたりからは、自然林と植林に挟まれた道が多くなる。また、足元が背の低い笹に覆われる場所もあり、笹尾根の名前の由来はこのへんから来たのだろうか。

笹尾根
笹尾根

小棡(こゆずり)峠、土俵岳と過ぎ、日原(ひはら)峠に着く。明るい雰囲気である。かなり高度を下げてきたせいか、麓の車の音が聞こえてくる。
浅間(せんげん)峠までは2、3の比較的大きなピークを越して行く。木の間から見る笹尾根の山肌はやはりカラマツの黄色が目立つ。

浅間峠に着いたのは15時少し前。日の短い季節でなければ熊倉山、三国山まで明るい尾根を歩き鶴川側に下りたい。今日はここで上川乗に下りることとする。日の傾きに合わせて下りる場所を決められるので、気ままに尾根歩きの楽しめる道だと思う。

短い山行ではあったが、気持ち良さの点では秀逸のコースである。


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