~季節をつなぐサラサドウダン~
タイトル
ななついしやま(1757m)、
せんぼんつつじ(1704m)
2009年6月27日(土)晴れのち時々曇り

7:25奥多摩駅-[バス]-7:57深山橋-8:22鴨沢-9:40水場-10:10堂所10:20-11:22ブナ坂-11:35七ツ石山12:00-12:40千本ツツジ13:00-13:22高丸山13:30-14:00日蔭名栗ノ峰14:20-14:30鷹ノ巣山避難小屋-15:26浅間神社入口-15:35奥登山口-16:15峰谷16:20-[バス]-16:45奥多摩駅
歩行時間:6時間55分
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ここのところ遠くへ出かける山行が続き、東京の山は1ヶ月半ぶりとなった。石尾根も夏を前に、緑濃い稜線となったことだろう。
6月下旬になると石尾根には、ヤマツツジに代わってサラサドウダンが咲き始める。花期が梅雨の時期のせいもあって、人気は今ひとつである。しかし、ツツジなど春の花が終わって夏の花が咲き始めるまでの間、石尾根の稜線を彩ってくれる貴重な存在である。
サラサドウダンを見るには峰谷から鷹ノ巣山~七ツ石山へのコースがいいのだが、昨年と同じになってしまうので今回は鴨沢側から登る。


サラサドウダン(石尾根)

奥多摩駅から鴨沢へ行くバスは、ちょうどいい時間の便がないので、小菅行きに乗り深山橋で下車、鴨沢まで歩く。

朝の奥多摩はことのほか涼しく、気持ちのよい歩き出しとなった。東京都から山梨県側に入るとすぐに鴨沢地区である。小袖登山口に車で上がる林道は工事中になっていた。

雲取山に登るときと同じ道。しかし荷物が軽いので、いつもよりも若干足取りは軽い。小袖登山口から緩やかな登山道を地道に登っていく。樹林下はひんやりしていて気持ちいい。

フタリシズカはほとんど終わり、ミミガタテンナンショウは早くも結実し始めたものが見られる。小さな畑地の横にある祠には、新しい花が供えられていた。

奥多摩湖
東京都から山梨県へ
緑濃い登山道
石尾根と雲取山

ここを歩くのは冬や晩秋が多い。いつもなら右側の赤指山の稜線が見え続けていて、自分のいる高度を知るものさしとなるのだが、今日は鬱蒼とした樹林に稜線が隠されがちだ。
高度を上げるにつれエゾハルゼミのワーという鳴き声がどんどん大きくなる。

途中の水場で水を補給する。今日のコースは水場が何箇所かあるので気が楽だ。堂所の先、片倉谷側が見えるところで休憩する。登山者もそこそこいる。きっと雲取山荘に行く人が多いのだろう。
ここから先はちょっとした急登である。道が折り返し気味になるところで三頭山方面の視界がきく。冬なら富士山が望める場所だが今日は見えなかった。
七ツ石小屋分岐に着いて、どっちに行こうか迷うが、ブナ坂を経由することにした。以前、サラサドウダンが咲いているのを見た記憶があるからだ。

木橋の手前で、岩から流れ出る水を再び補給する。ブナ坂に向かう巻き道は樹林がきれいで、何箇所か飛竜山や雲取山方面の眺めも開けて楽しい道である。しかし地図で見た印象以上に距離があって、時間もかかる。
ブナ坂までもう少しというところで、やはりサラサドウダンを見ることが出来た。

ブナ坂も緑が濃くなり、いつもと少し違う眺めだ。七ツ石山へは急登だがそれほど長くはない。
七ツ石山頂上に着く。まずは来た方向を振り返って、雲取山の存在を確かめる。雲取山の眺めといえば、ここ七ツ石山からのものが一番ポピュラーだろうか。先ほどのブナ坂から伸びる石尾根の稜線が、ヨモギノ頭を経て雲取山までつながっているのがよくわかる。
今日はサラサドウダンを撮るつもりで三脚を担ぎ上げてきたが、雲取山の眺めもせっかくなので三脚で撮影する。

若者が集う
サラサドウダン
マルバダケブキの尾根

自分ひとりだけの頂上にも、登山者がどんどん登ってきた。意外と若い人、それも女性が多い。そういえば、今朝の青梅線でも、ザックを担いだ単独の若い女性を何人も見た。登山は今女性の間でトレンドなのだろうか。
千本ツツジ目指して尾根を行く。サラサドウダンがよく咲いている。
赤い筋が入った、よく見るととても可愛い花だ。早速レンズを向ける。しかし、ツツジの仲間であるサラサドウダンは高木の花であり、けっこう高いところに咲いていて、しかも小さい。そのためピントが合わせづらいのだ。三脚を使ってみても、結局下から覗き込むようにして撮ることになるので、どうしても逆光気味になってしまう。これはきれいに撮るには大変な花である。

緩く登って千本ツツジの頂上に着く。頂上ともいえないような平坦な場所だが、眺めはいい。
今日の天気では富士山は見えないが、幾重にも重なる山並みと、その最奥に聳え立つ富士山の姿は、ここ千本ツツジからのものが奥多摩では一番いいと思っている。

休憩の後、稜線伝いに歩く。次の高丸山までの道は、今年もマルバダケブキの葉で覆いつくされている。
この植物は、他の花が咲かなくなってしまった荒れ地に、しばしば大群落を築くという。石尾根の花が戻ってくるのはこのマルバダケブキの数が目に見えて減っていくときである。それにはあと何年もかかりそうだ。

高丸山(1733m)を越えて、急な坂を下る。相変わらずのマルバダケブキの稜線を緩く上がって、日蔭名栗ノ峰(1725m)の頂上。その少し先の草原で腰を下ろす。
ここも南面の展望がいいところである。デジカメでこの眺めを動画で撮ってみた。再生してみたら、なかなかうまく撮れている。一眼レフにしてもデジカメにしても、今まで静止画ばかりで、動画など撮ってみたことがなかったのでわからなかったが、これはもしかしたら病み付きになりそうである。
[動画]
石尾根パノラマ(2'00")
浅間尾根を歩く(0'40")

鷹ノ巣山に登ってから稲村岩尾根下山も考えたが、このまま鷹ノ巣山を登らず峰谷に下ると、バス便の時間がちょうどよいので、今日はそうすることにした。
結局今日歩いた道は、昨年ここを歩いたときとほぼ正反対のコースとなってしまった。

鷹ノ巣山避難小屋の前を過ぎて、水場でみたび水を口に含む。冷たくて生き返る心地がする。山で飲む水のおいしい季節である。
浅間尾根もすでに緑濃い山道となっていた。ふたたびデジカメで動画を撮ってみる。今度は歩きながらである。こういう試みは、ちまたのホームページやブログで、あまり見ないのが不思議である。

高度を下げ、浅間神社から奥集落の登山口に下り立つ。ムシムシ、ジメジメとした空気が体にまとわりつく。石尾根はぐっと涼しかったことが改めて実感された。峰谷からバスで奥多摩駅に戻る。

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