2012年6月30日(土) | |||
◇ | 新宿駅 | 5:18 | |
中央線 | |||
5:55 | 立川駅 | 6:04 | |
青梅線 青梅駅乗換 |
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7:19 | 奥多摩駅 | 7:55 | |
西東京バス | |||
◇ | 水根 | 8:15 | |
8:40 | 登山口 | ◇ | |
9:15 | 沢を渡る | ◇ | |
9:55 | 木橋 | 10:00 | |
10:50 | 小屋 | ◇ | |
11:15 | 榧ノ木尾根分岐 | ◇ | |
11:45 | 石尾根 | ◇ | |
12:05 | 鷹ノ巣山 | 12:35 | |
12:55 | 鷹ノ巣山避難小屋 (周囲散策) |
13:55 | |
15:15 | 奥登山口 | ◇ | |
16:05 | 峰谷 | 16:20 | |
西東京バス 三河屋立寄り |
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16:50 | 奥多摩駅 | ◇ | |
青梅線 青梅駅乗換 |
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◇ | 立川駅 | ◇ | |
中央線 | |||
◇ | 新宿駅 | ◇ |
夏を前に、石尾根も緑濃くなったことだろう。
鷹ノ巣山を目指すが、東日原行きのバスは先日の台風の影響で、いまだに不通となっていた。峰谷からのルートも何度も登っているため、今回は水根沢林道を行くことにした。奥多摩湖の手前、水根バス停から沢沿いに山に入っていくルートである。10年以上前に一度歩いたことがあるきりだ。
緑の森に包まれた水根沢沿いに進む |
緑濃い森 |
木橋 |
流れに沿って |
フタリシズカ |
トタン小屋 |
巻き道はスズタケ |
眺望の尾根へ |
水根からむかし道と同じ方向に歩き出す。連日連夜の残業と、おまけに昨晩は11時まで飲んでいて二日酔いで、完全に睡眠不足、足元がまだふらふらしている。
日差しもあって、朝であってもすでに暑いくらい。弱った体にはつらい。おまけに、指導標の指す方向を勘違いして、住宅地のどん詰まりの先にある水根沢の入口まで来てしまった。沢にそって鉄製の橋や踏み跡があり、この道が正しいのかとも思ったりしたがやはり違う。
回りの里道を行ったりきたりしているうち、「登山口は300m手前です」という貼り紙を見た。指導標のあったところまで、すごすごと引き返す。
植林をジグザグに登り、ほどなく平坦な真っ直ぐの道が続くようになる。水根沢「林道」というが、実体は登山道と変わらない。それでも急なところがなく、どんどん歩いていけるので楽である。
水根沢をはるか左下に見下ろす場所では、足元に若干注意を要する。周囲は緑はじける広葉樹の森で、爽やかな空気が通る。水根沢は下のほうに流れ、大きな沢音が途切れることなくずっとついて来る。
やがて滝が見えてきて、沢身と道の高度差がだんだん近づいてくると、ワサビ田の跡のようなところに出た。10年前に来た時は4月上旬で、ワサビの青々とした葉がたくさん伸びていたのを覚えている。
沢を渡って対岸の山道を進む。木橋に着くころには、釣り竿を持った人や、長靴姿の人と出会う。水根沢は渓流釣りのメッカらしい。澄んだ水面にヤマメやイワナがいるのか、覗き込んでみたがわからなかった。
水量豊かな沢を間近にして、とても涼しく気持ちのいい登山道が続く。水根沢林道は今の季節に歩くのがちょうどよさそうだ。奥多摩の山は、7月ともなると尾根道コースは暑苦しくなるので、石尾根への登路としてこの道を選ぶといいかもしれない。
眺望 |
山頂直下 |
緑の尾根 |
ブナ巨樹 |
いつも気になる看板 |
峰谷へ |
歩くのもつらかった体の調子もずいぶんと持ち直し、普段通りの足運びとなっていた。ハルゼミのワンワンと鳴く声、鳥のさえずりも耳に心地よい。ただ、上部に覗く石尾根の稜線には雲がかかっていた。
もう一度木橋を渡り、さらに歩いていくと、杉の植林帯をジグザグに登るようになる。
ここまで平坦な道が続いたにせよ、ある程度高度は上がっているかと思い、携帯の高度計を確認してみたところ、まだ1100mくらいしかいってなかった。目指す石尾根の標高は1600m近く。ここから500mの標高差をこなさねばならない。ここは辛抱のしどころ、目の前の急坂を黙々と登る。
沢の音が蝉の声といっしょに、だんだん遠くなっていく。時々立ち止まっては高度計の数字を確かめる。トタン屋根の小屋に出会い、さらに高度を上げると、ようやく最初の分岐に到達した。六ツ石山・奥多摩駅」方面を分けて鷹ノ巣山の方向へ進む。でもここは六ツ石山ルートに入ったほうが、石尾根に早く上がれるのだった。
南西方向に戻るように登り、榧ノ木尾根からの道に合流。さらに登りがあり、カラマツの林を抜けると石尾根の巻き道に合流した。登山口から3時間もかかっている。奥多摩湖側から石尾根に登るコースとしては、かなりの長丁場だった。
まだここは巻き道なのだが、石尾根ははやり伸びやかで歩きやすい。そろそろ終わりとなったヤマツツジを見ながら進む。前後を歩く登山者も急に増えた。
右手の細道をひょいと登り、石尾根の稜線に立つ。目の前に広がるはずの草原には霧がかぶさり始めている。鷹ノ巣山の頂上部も見えていなかったが、南面の山並みはかろうじて望めた。
最後の登りに入ると、それも雲の中に消え去り、鷹ノ巣山頂上に到達した。バス停から4時間近くかかった、久しぶりに長丁場の奥多摩の山になった。直下の尾根はかろうじて見渡せるが、富士山などの遠望はきかない。
それに虫が異常に多い。到着したばかりの人はまだ呼吸が荒く、二酸化炭素を多量に排出しているせいか、小さな虫のえじきになっている。
しばらくすると体も冷えてくるので虫は退散するようだが、いつまでたっても何十匹もの虫にまとわりつかれている人もいるようで、そのへんは体質によるものだろう。虫に好かれる人とそうでない人がいるようだ。
展望はあまりなくても広々として気持ちのよい頂上なのに、虫がいやで昼食を諦めて下っていく人も多い。
登路の後半は気合が入ったが、休憩しているうちに、どうも疲れがどっときてしまった。鷹ノ巣山からの下りでは体が思うように動かず、足が前に出ない。
鷹ノ巣山避難小屋まで下り、水場で水を補給ののち、予定の日陰名栗ノ峰まで登ろうとするが、あまりの疲労感にたまらず引き返す。
縦走は諦めて浅間尾根を下ることにする。鬱蒼とした樹林の中、日も隠れてしまっているので夕方のように暗い。
歩いていて眠気が襲ってくる。連日連夜の仕事のダメージが体に鬱積している。半ばふらつくようになりながら、奥登山口に下り立つ。バスの時間には余裕があるので助かった。ゆっくりゆっくり歩いて峰谷に下山した。
水根沢林道は長いが気持ちのよい道だった。しかし夏山に向けての体力が全く養われていないことに気がついた1日でもあった。とにかく日々の仕事を早くかたづけ、夏に備えなければならない。