山の写真集 > 奥多摩 > 本仁田山
  • -GWに渋すぎる選択の山-
  • 平石尾根-本仁田山-花折戸尾根-鳩ノ巣駅
  • 奥多摩
  • 東京都
  • 平石山(1075m),本仁田山(1224m),チクマ山(1040m)
  • 2012年5月5日(土)
  • 6.6km
  • 4時間45分
  • 833m(大沢-本仁田山)
  • -
  • -
  • 中央線、青梅線
天気1

 

地図
2012年5月5日(土)
新宿駅 5:18
  中央線
5:55 立川駅 6:04
  青梅線
青梅駅乗換
7:19 奥多摩駅 7:25
  西東京バス
  大沢 7:37
8:17   12号鉄塔 8:25
8:35   754m
8:52   840m圏
9:52   平石山 10:05
10:40 本仁田山 11:20
12:05   チクマ山 12:10
12:15   ゴンザス尾根分岐
13:00   669m
13:45 鳩ノ巣駅 14:13
  青梅線
青梅駅乗換
15:22 高尾駅 15:31
  中央線特快
15:57 新宿駅

 

東日原行きのバスを大沢で下りる。この路線を川乗橋より手前で下りたのは初めてだ。 平石橋の下に渓流釣り場が見える。あたりは新緑に包まれていた。
ゴールデンウイークはどこに行っても混むので、なるべく人の来なそうな地味な山を選んだのだが、本仁田山(ほにたやま)。少し地味過ぎたかもしれない。以前に何度か登っていて、どうせならバリエーション的なコースを歩こうと思い、平石尾根と花折戸尾根を選ぶ。これも輪をかけて地味な取り合わせである。


平石尾根下部は安寺沢に至る道が伸びている

大沢バス停で西東京バスを下車。登山口はこの先の橋を渡ったところ


西東京バス

平石尾根は新緑


新緑

平石尾根の中腹はカラマツも新緑になっていた


カラマツも

フデリンドウ(平石尾根)


フデリンドウ

タチツボスミレ


タチツボスミレ

ハウチワカエデも芽吹き(平石尾根)


ハウチワカエデ

本仁田山山頂からは高水山付近の眺めがあるが、樹林もずいぶん伸びてきて数年のうちに眺めが悪くなろう


本仁田山山頂より

平石橋を渡った先の小道に入る。平石山荘の手前で山道を登っていく。意外にも立派な標識(といっても奥多摩でおなじみのやつだが)があり、安寺沢を指し示している。メインルートである大休場(おおやすんば)尾根の登山口がある集落の名前だが、そこに行く道が途中まで同じなのだろう。
やや荒れた畑地跡のようなところを斜上する。消えかけた踏み跡も、樹林帯に入ればはっきりした。

薄暗い林の中を急登していく。と、目の前の地面に蛇がニョロニョロと動いていてビックリ。蛇のほうがすぐに逃げていった。ジグザグに高度を稼いでいき、送電鉄塔12号の基部に登りついた。尾根の肩のような場所で特に広い眺めはないが、新緑の木の向こうに端正な三角形の山が望めた。石尾根の山か、それとも方角的に笙ノ岩山だろうか。
「安寺沢2.2km」の標識に従い、さらに尾根伝いに行く。すぐに「安寺沢2.1km」の標識が右方向の踏み跡を示していたが、そちらには進まず、さらに直進方向の杉林の尾根を登る。

ひと登りしたところが754mピークか。自然林の割合が多くなり、気持ちよい新緑の尾根となる。さらに登って840m閉塞点で傾斜が緩くなり、ぐっと日当たりがよくなる。カラマツが芽吹き、その奥には川苔山の姿も望める。フデリンドウが点々と咲き、オカスミレやタチツボスミレも顔を出す。

花折戸尾根の上部からは、芽吹きの樹林を透かしてはるか下の山麓が見下ろせる


麓を見下ろす

フモトスミレ(花折戸尾根)


フモトスミレ

チクマ山の先で、ゴンザス尾根の分岐に出会う


ゴンザス分岐

花折戸尾根の中腹の草地から、大岳山(右)、奥ノ院(中央)、御岳山(中央左)を望む


大岳山

白丸ダムが見下ろせた


白丸ダム

花折戸尾根は青梅線の線路のすぐ横に下山口がある


線路のすぐ横

岩がちのヤセ尾根となり、再び傾斜が増す。やがて植林下に入ってしまい、せっかくのいい天気がもったいない。着いた平石山は東西に平坦な地形をしていて、眺めはなかった。
モノレール軌道をまたぐと、ものの5分ほどで川苔山からの縦走路に合流した。とたんに7,8名のパーティーに出会う。平石尾根では2人にしかすれ違わなかったが、これ以降本仁田山までは、次々と登山者が行き交う。平坦な道を歩いてやがて本仁田山頂上に着いた。

東面にかろうじて、高水三山を前景に関東平野が望める。植林がずいぶん伸びてしまって、以前ほどの好展望ではない。反対側はほとんど植林で目隠しされているが、富士山方向だけ切り開かれて、奥多摩の山を前衛に富士山が高くそびえているのが見られた。

眺め的にはあまり特筆すべきものもないので、この際川苔山まで行ってしまおうか、そういう思いが頭をよぎったが、そこまで元気はない、むしろ花折戸尾根を下ってみたい。
そうこうしているうちに、この地味な山頂にも登山者が後から後からやって来て、たちまちのうちに満員になってしまった。まあこれもゴールデンウィークだからなのだろう。普段なら、とびきり静かな山頂のはずだ。
そういえば、この山頂に猫が住みついているという噂を聞いたことがある、どうなったのだろう。

下山しよう。尾根伝いに少し南下して、標識に従い大休場尾根と分かれて花折戸尾根に入る。なお大休場尾根は奥多摩での屈指の急登コース。若い女性が指導標にもたれかかるようにしながら、フラフラと登っていった。

花折戸尾根も下り始めは急だったが、じきに適度な下りの尾根となる。南に面している尾根で樹林もまだ芽吹きが浅いので、日当たりがいい。タチツボスミレ、エイザンスミレはどれも色鮮やか。フモトスミレも見られた。
山桜の混ざる芽吹きの尾根を行く。小さく登り返したところがチクマ山。アシビが茂っている。山名標識はゴシック体の味気ないものだった。

そのすぐ先でゴンザス尾根と分かれたあとは、やや単調な下り道となった。植林をくぐっていくと急にあたりが開けた草地に出て、右手に御岳山や奥ノ院、大岳山がすぐにわかるような特徴ある姿でそびえていた。
少しヤブっぽい中を下る。赤杭(あかぐな)尾根の一角と思われる山が左に見えた。やがて下のほうに白丸ダムが見下ろせた。観光客や車もかなりいる。足まかせに下っていき、鳩ノ巣駅への小さな標識に従って下りきると、そこは青梅線の線路が目の位置にあるところだった。意外な下山口で面白かった。
階段を下りきったところに観光トイレと駐車場、手打ちの蕎麦店がある。ちょっと寄って行きたい気もしたが、人が多そうだったのでやめる。ぐるっと回り込んで、いつもの鳩ノ巣駅の前に出た。

下山は14時前。見上げればまだ青空いっぱい。電車待ちの時間、駅前の店で缶ビールを飲む。今日は気持ちのよい、カラッとした陽気でビールもうまい。
今年のゴールデンウィークの山歩きは上々だった。関東地方が天気の悪かった中前半は、新潟の山で初夏の気分だったし、あちらが雨模様になると奥多摩で快晴の山を楽しめた。