~北秩父の展望台と羅漢様~
タイトル
かねつきどうやま(330m)
2005年2月11日(金・祝) 快晴

8:15秩父鉄道・桜沢駅-8:25八幡神社-9:00十二社神社分岐-9:10谷津池分岐-9:30鐘撞堂山10:15-10:40円良田湖-10:45羅漢山11:05-11:20少林寺11:25-12:00かんぽの宿寄居13:30-13:45波久礼駅
歩行時間:3時間

マップ
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1ヶ月ぶりの山、山とは言っても標高330mのほんの里山である。
鐘撞堂山は、奥秩父の三国山から東に長々と伸びる上武国境尾根の終端にあり、これより東はもう関東平野である。両神山、二子山、父不見山、城峯山、陣見山と訪ね歩いて来た北秩父の山も、これでひと区切りとなる。

冬枯れの登山道
冬枯れの登山道

東上線の寄居駅から秩父鉄道に乗り換え、ひとつめの桜沢駅で下車。北秩父の山をまさに東の縁から登り出すこととなる。

八幡神社の境内から山道が始まる。10分ほど岩がちの急登だ。久々の歩きなので、何となく足の運びがぎこちない。

すぐに尾根に乗り、それ以降は標高せいぜい150m~200mほどの穏やかな稜線歩きだ。これは穏やか過ぎる。
小さなアップダウンはあるが、1ヶ月のブランクをほとんど感じず快調に歩ける。また、この高度だと雪はまったくない。
鐘撞堂山頂上
鐘撞堂山頂上
両神山と城峯山
両神山と城峯山

周囲は落葉樹の雑木林なので見通しはいい。南に寄居の町並みと遠くに奥武蔵の山々、北には赤城だろうか、雪を抱いた大きな山塊が意外と近くに望める。
そして左右から何本も道が上がってくる。寄居駅からの登路が2本ほど合わさることは地図で知っていたが、実際は多くの登り道があるようだ。もしかしたら今でも、反対側の街に行くのにこの尾根を歩いて越える人がいるのでは、と思ってしまう。

正面奥に見上げる一番高いピークには、白い小さな建物が見える。鐘撞堂山の展望台であろう。これは随所で見られるのでよい目印になる。

尾根道はいったん右に大きくたわんで、正面に見える鐘撞堂山に至るようだ。
先ほどまでは丘の上から眺めていたような風景も、ここへきてようやく「高いところからの眺め」になってくる。それでも歩いているところはいまだ、標高300mにも満たない。

やがて十二社神社からの道が北側から合わさる。鐘撞堂山までは2km、30分と指導標にある。そして今歩いている道は「南尾根コース」と言うそうだ。

谷津池を右下に見る頃、道はようやく急な登りに転じる。左側が広く伐採され、広大な展望だ。木の階段が現れる。巻き道も付いているが今日はメインストリートにこだわって階段道を選ぶ。
膝小僧抱え
膝小僧抱え
立ち並ぶ羅漢像
立ち並ぶ羅漢像

展望台とあずまやのある鐘撞堂山頂上に着く。まず目に飛び込んできたのは、雪で白くなった御荷鉾山の堂々とした姿だ。そして両神山、遠くには榛名山。
展望台に上がると南面の眺めが大きい。330mの標高とは思えないほど広い展望だ。都心のビル群や筑波山も霞んで見える。
まだ時間が早く、誰も登ってきていない。この眺めをしばらく独り占めする。

南関東の低山でも雪の多い今年の冬であるが、今日はここまでまったく雪を見ていない。最高点でさえ奥多摩駅より低いところにあるのだから、それもそうかと納得する。
里の道を歩く
里の道を歩く
ロウバイ
ロウバイ

やがて、寄居駅方面から一人登ってくると、あとは数珠つなぎのように後から後から人が連なって登って来る。たちまち山頂は人であふれかえった。
大きな木の根元に黄色いものが見えたので、近づいてみたら福寿草だった。おそらく植えられたものだろうが、この寒空の下で見つけた小さな春だった。

北尾根を経由して、一昨年の不動山~陣見山の縦走路とつなげてもみたかったが、今日は羅漢山への道に向かう。
いったん簡易舗装の道になりやがて円良田湖畔に着く。人造湖ではあるが農業用水としての役目は終わり、今は釣りなど観光の場となっている。

すぐに羅漢山への登山道に入る。10分ほどで石仏の目立つ羅漢山山頂(247m)。
自分の家の近所にある目黒不動尊にも同じ五百羅漢寺があるので、ここの五百羅漢も見てみたかった。
山頂から少林寺に下る15分ほどの山道に510体もの羅漢像が立ち並んでいる。どれも異なった表情や姿勢をしていて、わらじの紐を結んでいるのや、考え事をしている羅漢様など、見ていて飽きない。

少林寺から波久礼駅までは、のどかな里の道を歩く。民家の軒先には梅がずいぶんほころび、オオイヌノフグリもそろそろ咲き始めている。かすかであるが春の足音が聞こえる。


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