雁坂峠マップ 初めて奥秩父の山域を歩いた。

朝もやの中、苔むした重厚な自然林の中を歩く。新緑とシャクナゲの彩りが楽しめ、1泊だけだったが、人も少なく、奥秩父の山深さを十分堪能 して来た。

開通してしまった雁坂トンネル ●雁坂小屋にて宿泊

この日は、登山口から小屋番の方といっしょになった。(お名前は聞きもらしたが、おそらく山中さんだろう)
小屋は管理人常駐ではなく、宿泊者があるときに登るようだ。
明るい新緑を歩く 自分が先に行く時、「まだ早いから、雁坂嶺~破不山まで往復してきたら」と言われたのでそうした。

ガイドでは雁坂峠まで5時間、と記されていたのに、峠到着まで3時間半ほどだった。峠に立っているコース案内版を見ると、ここまで3時間20分とある。林道の開通などで、コースが短縮でもされたのだろうか。

宿泊者は自分1人。山中さんの話によると、雁坂小屋はここ数年、シーズンでも宿泊者が大変少ないそうだ。甲武信岳の百名山人気で、そっちに宿先をとる人が増え、ここは小屋として経営的にも大変苦しいとのこと。
雁坂峠 私の泊まった次の日(土曜日)は、35名の団体が泊まるとのことで、「こんなことは久しぶりだ」と。心なしか、山中さんも張り切っておられる様子。

確かに、縦走コースにしても、ここに泊まるのは時間的にちょっと中途半端なのかもしれない。でも、小屋からの展望も良く、主稜線を歩き通すことにこだわらないのんびり派なら、いい宿泊地になるのでは?

雁坂小屋 小屋から見える山の説明、水場などいろいろ教えてもらった。寝るところは3段ベッド式になっていて、ふとんもあり、持って行ったシュラフは用無しとなった。ぐっすり、気持ち良く寝られた。
雁坂峠・雁峠分岐

幽玄さ漂う主脈縦走路
●笠取山にシャクナゲ開花

翌朝、雁峠を経由して笠取山へ。山頂では、ちょうどシャクナゲが開花しはじめたところだ。淡いピンクの花、つぼみは赤々としている。まだ2~3分咲きで、来週の週末はもっと鮮やかかもしれない。

小さな分水嶺から笠取山
笠取山山頂のシャクナゲ
岩場の狭い山頂。シャクナゲと低木。小鳥が木々の間を行ったり来たりしている。自分の目の位置で小鳥が左右に飛び交う、不思議な光景だ。
南面には富士山と大菩薩嶺がデンと構えている。


開放的な雁峠 ●雁峠で野鳥のさえずり

先ほど通った雁峠へ。ここは左右の丘と山の間の少しへこんだところに位置し、野鳥のさえずりがとても心地よい。
左から聞こえるカッコウのさえずりが右の斜面にこだまする。イワヒバリ、ミソサザイ、ウグイス。テレビでもテープでもない、まさに天然の音。誰も来ないこのだだっぴろい草原を1人占めした。

山はやっぱり朝、それも早朝がいい。奥秩父の山々は、まず山中に泊まり、朝早く起きて稜線漫歩、これが最高だと感じた。


Home