~展望とアカヤシオの縦走~
タイトル
ねもとさん(1199m)・くまたかやま(1169m)
2004年4月25日(日)快晴

8:05JR両毛線桐生駅-[おりひめバス]-9:00石鴨-9:25不死熊橋-9:40中尾根登山口-10:45根本神社分岐-10:55根本山11:15-11:25十二山根本神社-12:00熊鷹山12:15-12:45丸岩岳12:55-13:05林道横断-13:50野峰14:00-15:07ふるさとセンター分岐-15:30馬立集会所15:46-[おりひめバス]-16:20桐生駅
歩行時間:5時間35分

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熊鷹山頂上からの展望
熊鷹山頂上からの展望

2年ぶりに安蘇山塊に足を運んだ。根本山はアカヤシオが多いとの噂を聞いていたので、その時期を狙っていた。
例年だと5月初旬頃がいいということだが、今年は開花時期が少し前倒しで来ているので、早めに計画したつもりだった。

石鴨バス停で下車。ここを起点として根本山→熊鷹山と周回コースが取れるのだが、日曜日は石鴨発の午後便がない。そこで今回は、熊鷹山からさらに頑張って丸岩岳・野峰と縦走し、午後にバスの発車するところまで歩き通すことにした。

林道を25分ほど進むと駐車場があり、すぐ不死熊橋を渡る。さらに進み熊鷹山への登路を分ける。やや戻るように向きを変える。進む方向には「中尾根コース」の指導標が立っている。
周囲は新緑。緑色と一言で言うが、木によって色あいは様々である。この時期の萌黄色の山肌が一番見ていて楽しい。

芽吹きから新緑へ
芽吹きから新緑へ
アカヤシオ
アカヤシオ
根本山頂上
根本山頂上

指導標から100mも進むと登山口となる。薄暗い桧林の中をジグザグに急登する。
つらい登りはそう長くなく、やがて自然林が目に付くようになると南東方向の眺めが広がる。見えているのは熊鷹山付近の稜線だろうか。最上部の樹林はまだ芽吹いていないように見える。
ミツバツツジを少し見たあとはアカヤシオが現れる。再び急な登りとなる。足場が悪いところもある。

尾根に乗り、気持ちのいい平坦道になる。中尾根コースの一番いいところのようだ。
しかし花をつけたアカヤシオの木はまばらで、花はむしろ地面にいっぱい落ちている。落ちてそう時間が経っていないようなので、おそらく昨日かそこらあたりで風雨にやられてしまったのだろう。今日も朝から風が強い。
どちらにしても開花のピークは若干過ぎてしまったようだ。

芽吹きの森が裸の木々に戻り、根本山頂上直下の分岐に至る。沢コースが左から合わさる。根本山頂上(1199m)はそこから5分ほどだった。
10名ほどの登山者が入れ替わり登って来る。久しぶりに賑やかな山に来たようだ。展望は乏しいが樹間から日光方面の峰々が望める。

気持ちのいい山頂を後にする。アカヤシオがちらほら見られる。巻き道と合流したところが十二山根本神社。ここは小広い草地になっていて、休憩するなら根本山よりこちらのほうが適している。

登山道は弧を描くように、東から南東に向きを変えていく。氷室山の分岐を過ぎたあとは尾根の肩といった感じの十二山頂上。ここから熊鷹山までは自然林と笹原の気持ちよい道が続く。
尾根も幅広く、ちょっとした草原のようだ。惜しむらくは、笹が植生的に優勢なせいか花をほとんど見かけない。たまに小さなスミレを見るくらいだ。

そうきつくない登りをこなすと樹林が途切れ、展望広がる熊鷹山頂上(1169m)となる。

アカヤシオ
アカヤシオ
根本山の後ろに袈裟丸山
根本山の後ろに袈裟丸山
丸岩岳頂上
丸岩岳頂上
自然林豊かな道
自然林豊かな道

高さ2mほどの櫓が設置されていて、それに上ると360度の素晴らしい展望が得られる。赤城、袈裟丸山、皇海(すかい)山、真っ白の日光白根山、茶褐色の男体山と西~北面の眺めが特に見ごたえある。
もちろん前景には安蘇山塊の山並みが何重にも連なっている。根本山やこれから向かう丸岩岳、野峰(のみね)に続く尾根もたおやかに伸びている。櫓を下りた地点からでも、ツツジの木越しにそこそこの眺めは広がる。
このへんのツツジはまだ咲いていないところを見ると、アカヤシオではなく別の種かもしれない。

展望を十分に楽しみ、いよいよ野峰への縦走に入る。石鴨への道を分け、さっき見えていた尾根に上がると、土の感触が急に柔らかく感じるようになる。やはりここから先はそれほど歩かれてはいないようだ。
自然林と笹の道はまだまだ続く。このへんは道も明瞭だ。樹林の間からの眺めではあるが、袈裟丸山や鳴神山方面の山稜が望める。アップダウンもなく非常に歩きやすい。変化に乏しいのが玉にキズか。

右下に林道が見え出すと、すぐに丸岩岳頂上(1127m)となる。樹林と笹に覆われた、落ち着いた空間である。山名プレートの架けられた木にもたれて休憩する。

さらに南下していく。丸岩岳からしばらくの間は踏み跡がはっきりしないところが多くなるので、テープを目印に進行方向を見極める。
10分ほどで先ほど見えていた林道を乗っ越す。せっかく縦走の気分に浸っていたのに、思い切り水を差す林道である。

林道から先は迷いやすいところもほとんどなくなる。その反面足元に笹もなくなるので、登山道とそうでないところとの境界もあいまいになる。そのためこのへんは登山道というよりも、尾根そのものを歩いているといった感じだ。

野峰へはちょっとした急登となる。道の片側が自然林から植林に変わったところが野峰頂上(1009m)だ。地味なピークではあるが、白根山、男体山方面の展望が開けている。静かな山頂で最後の休憩を取る。

野峰からテープを頼りに桧林の中を下って行くと、右方から1人の女性が現れた。こんなところで人に会うとは思わなかった。
聞くと、近くに池があるというのでそこを見てきたとのこと。野峰には2つのピークがあるらしい。さっきまで自分がいたところは北峰で、鞍部から登り返したところが南峰ということだ。
なお、北峰~南峰の間も短い距離ではあるが踏み跡がわかりづらい。

南峰から下る。標高をどんどん下げ、新緑が復活する。スミレやヤマツツジも多く見られるようになる。
急な下りはないので足への負担は少ないが、その分長く感じる。

祠のある十字路に着く。右は「ふるさとセンター」へ、左と直進は「野外活動センター」への道。ふるさとセンター付近にはバス停があるのかわからなかったので、さらに直進していく。

どんどん行くと野外活動センターらしき建物と敷地が見えてくる。足元にジュウニヒトエとオカスミレがたくさん咲いている。しかし進む先は低い柵で仕切られている。このへんも作業道がいくつか分岐していてわかりにくい。

柵伝いに下りる道を見つけるが、再び踏み跡が判然としなくなる。しかしすぐ下に車道が見えているので、斜面を50mほど強行突破する。車道に下り立ったところが馬立集会所バス停の前だった。


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