山の写真集 > 北関東(栃木・茨城) > 南平山
  • -温泉の裏山は全山紅葉-
  • 川治湯元-登山口-南平山
  • 那須・塩原
  • 栃木県
  • 南平山(1007m)
  • 2011年11月12日(土)
  • 4.7km
  • 3時間50分
  • 510m
  • -
  • 川治温泉 薬師の湯
  • マイカー
天気1

 

地図
2011年11月12日(土)
目黒IC 4:10
  首都高
東北自動車道
日光宇都宮道路
今市IC 6:25
  国道121号
7:15 川治運動公園駐車場 7:25
7:30 あじさい公園
7:45 登山道入口
8:05 鉄塔
9:00 あずまや 9:10
9:35 南平山 10:25
11:20 合流点
11:45 鉄塔
12:00 登山道入口
12:15 川治運動公園駐車場 14:25
  国道121号
薬師の湯立寄り
15:10 今市IC
  日光宇都宮道路
東北自動車道
首都高
16:45 富ヶ谷ランプ

 

南平山(なんだいらやま)は栃木県・川治温泉の裏手にこんもりと、標高1007mの高さでわだかまっている。
周囲を山稜に囲まれ、そう目立つ存在でもない。しかしこの山はほぼ全山が広葉樹で覆われており、そういうのはありそうでなかなかない。登山コースは1本だけだが、駅から歩いて登れるので都心からでも日帰りで行ける。
やはり紅葉の時期がいいだろう。今回は車でアプローチした。


登山道はふかふかの落ち葉絨毯

東北道から日光宇都宮道路に乗り継ぎ、今市ICで下りる。奥日光の山の上のほうは白くなっていた。国道を鬼怒川、野岩鉄道に沿うように北上する。
静かな川治湯元の温泉街を抜け、細道を川に向かって下っていくと、川治テニス場がある。この横の駐車場に停めさせてもらった。すぐ横に日帰り入浴可能な露天風呂がある。周囲の山々はすでに、いい色づきになっている。

黄金橋を渡る


黄金橋を渡る

川治温泉には随所に道祖神が立ち、道祖神めぐりができる


道祖神

遊歩道の途中に登山道入口がある


登山道入口

黄金橋を渡って山のほうに入っていく。黄金といっても青色の橋である。すぐにあじさい公園の入口の前に来る。
徳利を持った道祖神と南平山の説明板があった。それによると、この南平山は800年前、源平合戦で敗れた平家が逃げ延びてきた山で、平家の財宝がこの山のどこかに埋められているとの言い伝えがある、とのことだ。先ほどの黄金橋という名前もそこから来ている。
あじさい公園を抜け、鬼怒川沿いに遊歩道をしばらく歩く。対岸の川治温泉の旅館街は、朝がまだ早いからか静かで、物音ひとつしない。
2両編成の野岩鉄道がゴトゴトと音を立てて、走っていくのが見える。のどかな風景である。

はるか上にある有料道路の高架橋をくぐると、ほどなく案内板の立つ南平山登山道入口だ。
全山広葉樹とは言うが、登り出しだけは杉林の中をジグザグと行く。それを抜け出して、色づいた木が現れるようになったころ、突然温泉街の方角からオルゴール音楽が鳴り出した。川治温泉街の8時のチャイムはエーデルワイスの曲だった。
さらに登っていくとあたりが少し開け、尾根上の鉄塔基部に出る。対面に紅葉した山と眼下に発電所が見える。南平山の登山コースで展望が得られるのは、ここだけということである。

広葉樹の森の中をジグザグに登り始める。高度を上げるほどに色づきはよくなる。そして足元は落ち葉で登山道がわかりにくくなっている。周囲が平坦になるとどっちに進んでいいのかわからなくなったりする。
そういう状況に対応しているのか、ここの登山道には標識が200mごとに立っている。この山のシンボルとも思える、砂金のイラストがユーモラスだ。ビニールテープもかなり多くついていて、なんとか進む方向が見出せる。
それにしても、色とりどりの葉が登山道を敷き詰めて壮観である。赤いカエデ・モミジの葉が目立つ。
ミズナラやブナなど、黄色やオレンジ色に紅葉する木もこの山には多いのだが、今年の紅葉はどこも赤系がよく、黄葉の色づきがいまひとつの感がある。それでもしばらくは、上も下も彩りに満ちた道が続いた。

鉄塔付近でこの日唯一の眺めが開ける


唯一の展望地

紅葉の道


紅葉の道

紅葉の道


紅葉の道

紅葉の道


紅葉の道

山頂まで0.6km。上部は落葉気味


山頂まで0.6km

ちょっとした平坦地に出る。落ち葉で登山道がよくわからない。「山頂まで1500m」の標識に従い左へ進むと、かすかな踏み跡が見つかる。樹林はだんだんと落葉気味になり、地面に積もる落ち葉の厚みは一層増す。
振り返り、木々を透かして正面に大きく見える山は高原山(鶏頂山)である。
あずまやに到達。ここで小休憩をとる。清々しくていい山だ。夏はさすがに暑そうだが、新緑から初夏の時期は爽やかな森の散歩道を提供してくれそうだ。

あずまやから少し登ると「山頂まで800m」。この標識の手前に、もう1本踏み跡が合わさってきた。手持ちの登山ガイドによれば、これはおそらく、今まで歩いてきたどこかから分岐して、ここで再び合流する踏み跡と思われる。どこで分岐していたのか、全く気づかなかった。下山時はこの踏み跡を下ってみよう。
道は少しはっきりしてきた。樹木はほぼ落葉し、明るい空の下、ひとしきりの急登で南平山頂上に着いた。説明板と三角点のある、南北に細長い頂上だ。南側の縁まで行ってみると、頂上部だけ白くなった奥日光の山が木の間から望めた。

なお、山頂からさらに南下するる方向は尾根状になっていて、木にテープもついている。踏み跡がありそうだ。この先の981mピークまで行けるか、ちょっと歩いてみる。
少し下りたところにちょっとした平坦地があり、大人数のときはここで休憩してもいいかもしれない。さらに行くと笹が行く手を阻み、すぐ先のコブでヤブになってしまった。展望もなさそうだし、981mピークまではまだかなりありそうなので引き返すことにした。
頂上に戻ってしばらく、初冬の山の雰囲気を味わう。それにしても土曜日の紅葉の山なのに、会った人は今のところ1人だけだ。静かな山である。

南平山頂上にはいくつもの山名標識がかけてあった


南平山頂上

紅葉の道


紅葉の道

山頂まで1500m地点の標識。ここで踏み跡は分岐するが、右方向はペンキで消されていた


砂金マーク

赤々としたカエデが多い


紅葉

川治湯元の温泉街。左の林の先に露天風呂「薬師の湯」がある


静かな温泉地

そろそろ下山にする。あずまやの手前、先ほど見ていた左への踏み跡に入ってみる。あずまやのほうのルートと比べても、トレースはずっと薄い。標識もテープもあるのだが、やや古びている。
落ち葉で隠された踏み跡を注意深く辿っていくが、ついに見失ってしまう。急斜面ではないので、とりあえずそのまま下っていく。右側に寄りながら行けばそのうち正しいルートと合流するだろう。それにこちら側のほうが、紅葉はずっと鮮やかだ。
10分ほど下るがいっこうに正規のルートに合流しない。どうも少し北寄りの斜面を下りているようだ。このまま進んで有料道路の上に出てしまうと、その後車のところに戻るのに苦労しそうだ。ここは登り返すことにする。
ようやくテープを拾い、なおも何度も踏み跡を見失いそうになりながら、「山頂まで1500m」の標識に行き着く。
標識をよく見ると、自分が今下って来た方向には、矢印が消されていた。後で調べてみたら、以前この方向に「山頂まで1600m」の表示が書かれていたらしい。つまりここが登山道の合流点なのだが、今辿ってきたルートは廃道になったということだ。どおりで踏み跡が薄かったはずだ。

以後、紅葉を眺めながらのんびり下る。この後、登山者にはあと一人だけ会った。登山口に下り、、朝と同じようにあじさい公園を川沿いに歩いて、駐車場に戻った。
時間も早いので、露天風呂でゆっくりしていく。旅館と川を隔てて建っている小さな建物が「薬師の湯」の内湯だった。
そこから50mほど離れたところに、川沿いの露天風呂(混浴)がある。源泉36度のぬる湯で、なめらか感のある大変いいお湯だった。入っている人も少ないので、足を伸ばしてゆっくりと浸かる。

山も温泉も紅葉には一番いい時期なのに、閑散としていたのは、やはり震災の影響が残っているのだろうか。帰りの高速も渋滞なしだった。