2013年10月27日(日) |
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練馬IC |
4:55 |
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関越自動車道 |
◇ |
渋川伊香保IC |
6:05 |
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県道35,28,58号
国道406号 |
7:10 |
浅間隠温泉郷 |
◇ |
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須賀尾林道 |
7:30 |
登山口 |
7:35 |
8:05 |
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沢を離れる |
◇ |
9:15 |
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シャクナゲ尾根 |
◇ |
9:30 |
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八合目 |
◇ |
9:55 |
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浅間隠山 |
10:30 |
11:15 |
シャクナゲ尾根 |
11:25 |
12:05 |
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沢 |
◇ |
12:25 |
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登山口 |
◇ |
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須賀尾林道
三鳩楼立寄り
国道406号 県道58,28,35号
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15:45 |
渋川伊香保IC |
◇ |
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関越自動車道 |
17:40 |
練馬IC |
◇ |
紅葉を追いかけての山も折り返し地点となった。今年は天候が不順で台風や大雨が多く、これまで見られた紅葉は色づきがもうひとつだった。今週こそ、と念じつつ4週連続の関越を走る。
ところが今回も冬型の気圧配置となっており、日本海側や北関東の天気は怪しい。群馬県の北部と南部で、くっきりと天気予報が違っている。浅間隠山は北部と南部の境で微妙な位置にそびえているので、どっちなのだろうか。
地籍のある吾妻村は北部に属するが、実際出かけてみないとわからない。
真っ赤になったカエデ |
浅間隠山は初登頂である。一般には二度上峠からの往復コースが歩かれているが、登山としてはそれでは物足らないので、反対側の浅間隠温泉郷登山口から登ることにしている。
渋川伊香保インターで下り、西に進んでいくと、たしかに北側は厚い雲で覆われているが、目指すエリアは何とか青空の下であるようだ。道路のデジタル寒暖計は何と3度を指していた。近くの山肌に生えた樹林もある程度色づいており、放射冷却が効いて紅葉はかなり進んでいそうだ。
須賀尾宿という宿場街を通り、浅間隠温泉郷のある清水地区に入る。伊香保温泉付近のような開けた場所を想像していたが、思った以上に田舎で自然が多い。
浅間隠温泉郷や浅間隠山を示す看板から小道に入る。やがて道は未舗装になり、開け放たれていたゲートを通過。この先でデコボコの砂利道となった。
穴にはまらないように慎重に運転し、ゲートから15分くらいでようやく登山口の広場に着く。駐車スペースも十分広い。自分がこの日初めての登山者のようだ。
周囲の木々はもう色づいている。歩き出すとすぐに沢で、水びだしのコンクリート堰堤に行き当たる。かなり増水していて、渡れる場所探しに苦労する。
いったん穏やかな林道風となるがふたたび沢に下りる。ここも増水で流れが早く、二の足を踏む。普段の水量がどの位なのかわからないが、先日の台風や低気圧の影響で水かさは増していると思われる。のっけからなかなか大変な登山コースである。意を決して飛び石伝いに渡ったが、結局片足が沢に浸かってしまった。
最初から濡れた足では困るので、靴下を代えていくことにした。沢は計4回渡った。
ようやく沢を離れ、尾根状の登りとなる。前後に誰もいない、秋の深まりを感じる静かな山道だ。念のため熊鈴をつける。登山道でもところどころで、「ふれあいの鈴道」と書かれた小さな鐘が木の枝にぶら下がっているのを見る。
時折り、ザワザワと風が樹林を揺らす。頭上に覗く青空には雲がかなりのスピードで流れており、風が強いことをうかがわせる。
緑が優勢だった周囲の木々は、高度を上げるに従い、次第に色鮮やかになってきた。両側に規則正しく伸びているカラマツは植林かもしれない。その外側はミズナラやカエデを主とした密度の濃い自然林である。
やがて道は木の階段を交えた急登が始まる。左手の樹林はカエデの黄葉、路面は落ち葉の黄色、頭上も黄葉のトンネルになった。これだけの紅葉に包まれた道を歩くのは久しぶりだ。
そのうち色はオレンジ、赤も混ざりまさに錦絵を見ているようになった。右手には木の枝越しながら笠岩と思われる岩峰が、これまた色鮮やかに染め上がっている。時々雲が日を遮り、暗くなってしまうのが惜しい。
急登は、岩を交えた登りに移る。眺めも若干よくなる。シャクナゲ尾根の名の通り、シャクナゲの葉が目立ち始めるが数はそう多くない。ツツジの紅葉も加わる。ヤセ尾根で少し慎重を要するところもあった。
シャクナゲ尾根の標識の立つ場所に登り着くと、紅葉の木々を前景に浅間隠山の端正な三角錐が覗いていた。群馬側から見ると、この山が浅間山を隠してしまうから浅間隠山と名がついたといわれるが、実際は形のよいスラッとした三角形なので、浅間山をすっぽりと覆い隠してしまうような山ではない。
急坂がひと段落すると、足首くらいの高さの笹が現れる。木々は落葉したものも目立ち始めるが、赤々としたカエデの紅葉オンパレードとなった。合わせて足元も赤色に染まる。これだけカエデの続く尾根道もあまりない。
少し下り気味になり、鞍部に到達すると、葉の落ちた木々の尽きる先に浅間隠山が待つのみとなる。
最後の登り、これが急で、思いのほか長くつらい。いくら登っても景色が変わらず、終わりが見えない。それでも徐々に傾斜が緩くなって、人の声が聞こえ始める。日のさんさんと差す浅間隠山頂上に着いた。
ほぼ360度の展望だが一部樹林がじゃまをする。それでも浅間山の眺めはやはり秀逸だ。浅間山は頭に雲を被っている。
また懐かしい鼻曲山、角落山も近い。遠く妙義のギザギザや榛名山、小野子・十二ヶ岳など沼田の山もよく見えている。
振り返って北の方角はやはり、一面が曇のベールで覆われていた。みなかみ町や長野原町の標高の高い山は、おそらく雪になっているのではないか。もしかしたら雲を乗せた浅間山も白くなったかもしれない。
ここ浅間隠山はぎりぎり、晴れの圏内らしい。でも時折り大きな雲が山頂を覆うようになると、風が吹きすさび急に寒くなる。
八合目から上はほぼ落葉し、黄葉の絨毯となっていた。正面に浅間隠山を見据えた登り
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黄葉の道 |
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青空に映える |
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登山者はやはり、二度上峠コースを使う人がほとんどで、後から後から登ってくる。二度上峠はすでに標高が1400mくらいあり、標高差が少なく登山は楽だろう。しかし今日のような日は標高が低いところから始まる分、温泉郷コースのほうが紅葉のバラエティはあったのではないかと思う。
休憩して下山にかかる。来た道を戻るのは味気ないが、今日ばかりはあの紅葉のトンネルをまたくぐれるので、往復コースでも楽しみがある。なおどうやら、こちらのコースを歩くのは自分だけのようで、こちら側に登山道があることに気つかない人も多そうだ。
下りは太陽の位置が雲から遠いところになり、青空の下となった。青空だとやはり紅葉は格段に映える。巻機山や玉原高原の山もこんな天気で歩けたなら、この秋はもう歩かなくてもいいくらいに思ったかもしれない。
急いで歩いてしまうのがもったいなくて、適当に立ち止まったり休憩を取りながら、ゆっくり下る。笠岩にも日が当たり、際立った色合いを呈していた。
登りの時と逆回転のビデオでも見ているかのように、周囲の木々は緑色の割合が目でわかるほど増えてくる。沢に下り、今度は水にはまることなく無事に通過する。
登山口には12時過ぎに着いてしまった。二度上峠コースより距離のあるコースであるにもかかわらず、こちらも歩程4時間程度なので、標高の割にはあっけなく登れてしまう山といえるだろう。
でもこれだけの目を見張るようなカエデの紅葉は、この山ならではのものだろう。紅葉ランキングは久々に、文句なしの5つ星である。
途中で立派な滝を写真に収めた後、浅間隠温泉郷に戻る。日帰り温泉はないが、数軒の旅館があるので立ち寄っていく。お湯が少し濁っているという鳩ノ湯を選ぶ。昔ながらの旅館で心静まるお風呂だった。