~紅葉は足元から樹林帯へ~
タイトル
みくにやま(1636m)、だいげんたさん(1764m)
2009年10月4日(日) 曇り時々晴れ
(前夜発)20:20練馬IC-[関越自動車道]-谷川岳PA(車中泊)-6:15湯沢IC-[国道17号]-7:10三国峠登山口-7:40三国峠7:45-8:25三国山-10:05三角山10:15-10:22大源太山分岐-10:33大源太山11:13-11:37三角山-12:20鉄塔下-12:22毛無山12:30-12:55浅貝スキー場-13:08浅貝-13:45三国峠登山口-[国道17号、雪ささの湯立ち寄り]-15:40月夜野IC-19:00練馬IC 歩行時間:5時間25分
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今年は紅葉のペースが早いので、2週ほど前倒しで北の山詣でが始まってしまった。
いつもならまだ緑の濃い9月下~10月上旬は、奥多摩や秩父の山に1,2回行っているのだが、今年はそれを省略した。今回の三国山で、3週連続の北関東の山となる。


大源太山付近は樹林帯の紅葉が進む

前夜、谷川岳PAまで入っておいた。湯沢ICで下りて、国道17号を行く。

トンネルの手前まで来た。駐車場があるということなのだが、車を停められるような場所はない。ためしにトンネルをくぐって先に行ってみると、トンネルだと思ったのはスノーシェッドで、三国トンネルはそれを抜けたすぐ先にあった。駐車場のある三国峠登山口に着いたのは、7時過ぎだった。

青空の朝だが、上越の山稜にだけ、雲が覆いかぶさるように乗っかっている。まあいつもの図である。
隣りの山域が晴れでも、上越の山だけは曇りとか、雨降りということがよくある。登山道はトンネルの脇から始まっている。

三国トンネルと登山口
三国峠
三国山
ツツジの紅葉
落ち葉道

この三国峠に通じる道は、歴史がある。登山道は峠道らしく、なめらかで大変歩きやすい。すぐに「三国権現御神水」という水場に着く。
いくたびか方向を変えてジグザグに上がっていくと、群馬側の眺めが見下ろせるようになる。ほどなく、小屋と鳥居のある三国峠に到着する。

笹に囲まれたうすら寂しい峠である。ちょっと清水峠に似ているが、一面の大笹原でない分だけ街道の雰囲気があり、「人」臭さがある。
「三国峠を越えた人々」の石碑には、坂上田村麻呂、弘法大師、上杉謙信、川端康成など著名人の名前がずらりと並んでいる。誰もがここを越えて江戸に向かい、故郷を思い、越後に帰っていった。
現在放映中の大河ドラマ「天地人」でさらに知られることとなったが、直江兼次はここを通ったのだろうか。石碑に名前はなかった。

峠からは、三国山の大きな、たおやかな盛り上がり目指して登っていく。
木の階段ばかりなのが味気ないが、もしここが土の道なら屈指の難コースだろう。笹が深く、凹凸の激しい直登道が山頂まで延々と続くのだから。
周囲はいつのまにかガスが濃くなり、背後に見えてくるはずの稲包山の姿も、もとより三国山の上のほうも、白いベールに隠されてしまった。今日は群馬側から新潟側に雲が流れ続けている。

高度を上げると低木の紅葉が鮮やかになってきた。草紅葉はもうピークを過ぎたかと思っていたが、意外とまだ見られる。
どうも自分の考えていたほど、紅葉は進んでいないようだ。これはもしかしたら、樹林帯の紅葉には早すぎたかもしれない。

ガスが切れるのを期待しつつ、巻き道分岐に着く。さらに高度を上げて、肌寒さを感じるほどになると、二等三角点の三国山頂上である。
ガスで展望は残念ながら全くない。三国山は夏のニッコウキスゲで人気がある。しかし秋から晩秋の雰囲気も捨てたものではないと思った。そう、この付近は紅葉もいいが、葉が落ちた初冬の頃に歩くのもいいだろう。
山頂にある「幸福の鐘」を1回鳴らす。後から夫婦が登ってきた。自分と同じく大源太山まで縦走するそうだ。

青空が覗く
アップダウンを繰り返し
三角山と大源太山
三角山

三国山からは、低木・潅木の中の下りとなる。ここは群馬県と新潟県を分かつ、国境稜線と言われる部分だ。数年前、平標山からの下山途中にこのへんのたおやかな稜線を見下ろし、一度歩いてみたいと思っていた場所である。
ドウダンツツジの赤々とした紅葉が目を見張る。森林限界上ではあるが、歩くのにそう大変なところはなく、晴れていれば気分のよさそうなヤセ尾根である。
しかしガスで展望が得られないのが何とも残念だ。風が吹き、ガスが飛ぶごとに山が見えたりもするのだが一瞬のことで、すぐにまた隠されてしまう。

遠くのほうに、日に照らされて明るい山肌が見える。平標山だった。あのあたりは晴れているようだ。
今朝平標山の元橋登山口の前を通ったが、すでに駐車場は満車状態だった。2000m近くても、意外と草紅葉は残っているのかもしれない。
一方、標高の低いこちら三国山付近は、群馬側に出来たあまりにも大きい雲の塊のせいで、日がさえぎられて、写真も映えない。

小さなピークをいくつも越えていく。やがて前方に三角形のいい形をしたピークをとらえる。その名も三角山(1685m)。
頂上は眺めがよい。そして大源太山は目の前だ。蓬峠近くに同じく大源太山があるが、向こうは「上越のマッターホルン」と言われるように、尖がった険しい山容である。
一方こちらは、丸っこいなだらかな笹原と樹林帯を従え、のんびしりた印象がある。この狭い山域に大源太山などどいう珍しい名前の山が2つあり、それがまったく風貌が違うのが興味深い。

三角山から少し下る。大源太山までは短いが樹林帯の中の歩きだ。紅葉がきれいで赤、オレンジ、黄色と色とりどりの道になっている。
平標へ向かう道を分けて、大源太山への登りに入る。まだ緑の葉を残している樹木もあって、樹林帯の紅葉は来週でもよさそうである。

高木もいい色に
笹の稜線
ブナ林
コスモス咲くゲレンデ

平坦な笹原をしばらく歩くと、大源太山頂上に着く。草むらにぽっかりと空いたスペースは決して広くはない。眺めも格段にいいわけでもない。
折りしも周りは一面のガスで真っ白。谷川連峰の眺めなどどこにもなかった。川古温泉方面への道に少し入ると眺めのいい稜線に出たが、やはり何も見えず。紅葉はきれいだった。
大源太山は国境稜線から少し群馬県に入ったところにあるので、今日の群馬側の大きな雲に呑み込まれてしまったようである。

展望は諦めて、下山にかかる。振り返り見ると大源太山の山体が見えていた。どうも自分が頂上にいたときだけ、大源太山はガスに包まれていたようだ。まあこういうときもある。
三角山頂上に戻る。眺めのいい頂上には多くの登山者が到着していた。ここから西側に、浅貝へ下る道が分岐しており、これを下山路にする。

始めこそロープのかかる急坂であるが、ほどなくなだらかになる。ただしジグザグ道ではない直線状の道なので、それなりの斜度はある。
途中に小さいながらもブナ林帯を通る。思った以上に歩きやすいので足がはかどる。切り開きから振り返ると、新潟側は気持ちのよい青空だったが、稜線の向こう側はまだ厚い雲が幅を利かせていた。

少し登り返して大きな鉄塔、そのすぐ先に毛無山(1362m)の山頂があった。エアリアマップでは、鉄塔と毛無山の間は距離があるように見えるが、実際は目と鼻の先である。
上越の稜線に別れを告げて、最後の下りに入る。眼下に苗場プリンスホテルか、大きな建物が見えてきた。そして反対側にはスキーゲレンデが見える。
急坂を経てその浅貝スキー場に下り立った。スキー場内の舗装路を歩いて、浅貝登山口に着く。

苗場スキー場は、大学時代に所属していたスキーサークルで来て以来、実に25年ぶり!である。その頃はまだ上越新幹線もなく、在来線で長い時間をかけて来た記憶がある。
今目の前に見える旅館かホテルのどれかに泊まったはずだが、そのへんは完全に忘却のかなただ。

40分ほど国道を歩き、車のある三国峠登山口に戻った。
どこの温泉に入るか、携帯で検索しながら歩いていたが、車のボンネットに日帰り温泉の割引券が挟まっていた。渡りに舟とはこのこと。浅貝まで車で戻り、その「雪ささの湯」に立ち寄る。茶褐色で無味無臭の、ちょっと変わったお湯だった。
帰路は三国トンネルをくぐり、群馬側から高速に乗った。


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