~魚沼盆地を見下ろす展望の稜線~
タイトル
きんじょうさん(1369m)
2005年7月24日(日)晴れ時々曇り

9:05上越線六日町駅-[タクシー]-9:20五十沢登山口-10:20四合目-11:00六合目(大月コース分岐)11:10-11:30雲洞コース分岐-12:05九合目(兎平)-12:45金城山13:25-13:40九合目-14:20六合目14:30-15:00林道-15:40上大月16:00-16:45清流館18:10-18:25六日町駅
歩行時間:6時間

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2週連続で新潟の山に来た。
六日町駅から巻機山方面に大きく見えている金城山は標高1369m。これは先週行った火打山の登山口の標高と同じくらいである。
この季節には暑さがこたえるかもしれない。ただ、日本海側の山でもあるしそこそこ涼しいのでは、という期待もあったが見事に裏切られた。酷暑の中の登山となった。

滝
岩壁と滝の滝入コース

青春18きっぷの使える時期となったので、上越方面の山行は都合がいい。高崎線に乗るが、臨時快速「マリンブルーくじらなみ号」が走っていることがわかったのでそちらに乗り換える。通常便より若干早く六日町駅に着く。
駅前にバスも停まっているが、今日は五十沢(いかざわ)登山口までタクシーで行く。運転手さんに「いかざわの登山口まで」と言っても通じない。地名で「大倉の登山口」と言うとわかってくれた。

大月トンネルをくぐって五十沢登山口へ。大きな看板が立つ登山口はさっそく分岐になっている。左は水無コース、右は滝入コースだ。水無コースは岩場の多い難路と聞く。今回は滝入コースを登り、余裕があれば水無コースを下ろうと思う。

沢を何回か渡り、やがて斜度は増してくる。ムンムンとする盛夏の樹林帯。道は下草が覆い、気をつけていないと踏み跡を外してしまう。
所々で滝を見ながら高度を稼いでいく。樹林が切れる場所も多く、気がつくと背後に六日町の田園風景が見下ろせるようになっている。正面には八海山も見えている。
右手は崖になっていて、遠目にクルマユリのようなオレンジ色の花が岩に咲いているのが見える。
魚沼盆地が一望の稜線
魚沼盆地が一望の稜線
ナデシコが咲く
ナデシコが咲く

沢を高巻くトラバース道はなかなか手ごわく、ここを滑ったらやばいな、と思ったら本当に滑り落ちてしまった。
2mほど落ちただけで大事には至らなかったが、こういうのは飯豊以来のことでちょっと恐かった。
林床にはオニシモツケや、ピンク色が鮮やかなシモツケソウなどが見られるが、総じて花は少ない。

5合目付近で下ってくる登山者と会う。休みの日なのにやはり低山で敬遠されているのか、見かける人はほんの数人だった。
5合目から上は、気持ちの入れ替わるようなブナ林だ。天狗ブナと呼ばれている大きなブナも、細尾根を通せんぼするように鎮座している。しかし道はここから急登となり、背中にジリジリと日を浴びながら、大汗をかき踏ん張る。左上の金城山の頂稜部が見えるがまだまだ高い。

ロープのかかる急斜面を経て、大月コースとの合流点、6合目に登り着く。休んでいると、もう一人登って来る。「暑くて大変ですね」が挨拶代わりになる。

ここからは緩急織り交ぜたヤセ尾根が続く。低潅木が目立ち始め展望も楽しめるようになる。ガレ場からは八海山方面の眺め、そして反対側には、眼下一面に魚沼盆地の田園地帯だ。整地された田畑の緑が何とも鮮やか。
8合目手前、雲洞(うんとう)コースを合わせる小ピークからの展望が特に素晴らしい。
尖岩の立ち並ぶ頂上
尖岩の立ち並ぶ頂上
拡大サイズ(430×650)

再び樹林帯に入る。突然の急斜面で鎖場も随所に現れる。なかなか骨の折れる道だが、気候がいい紅葉の時期などはかえって楽しい登りであろう。
8合目を過ぎると沢の音が聞こえる。水場まで60mの標識があったが、まだ大丈夫なので先に進む。次の展望地で下長崎コースを分ける。コースのかなり多い山のようである。
道は意外にも、再びブナ林の中となる。ここからの急登が苦しい。9合目を過ぎて、休み休み上を目指す。

突然視界が開け、岩峰の横に出る。反対側は恐ろしいほどの絶壁だ。立ち並ぶ岩を縫うようにして少し進むと金城山頂上。さらに少し進んで、鎖でよじ登った岩棚の上で休憩とする。
岩棚は5名程度が休める平たい場所で、八海山神社などの石祠が立っている。傍らにコキンレイカやナデシコの花が咲いている。展望も素晴らしいが、正面に見える巻機山にはガスがかかっていた。

もう一人居合わせた人は、水無コースを登ってきたそうで、下りも同じ道のようだ。いつもなら2時間で登れるのだが今日は2時間半かかったとのこと。自分もここを下ろうとは思っていたのだが、ここまでの予想以上の苦しい登りに予定変更し、大月コースを下ることにした。

なお、ここからさらに尾根続きにある最高点には避難小屋があるらしいが、今日のところはここでUターンとする。
切り立った岩壁の縁を歩く
切り立った岩壁の縁を歩く
上大月から金城山
上大月から金城山

ヤセ尾根をどんどん下って行く。6合目で大月コースに入る。さっき上の方から反射板の立つピークが見下ろせていたが、しばらく歩くとその反射板の基部に着いた。
大月コースは今までの道とは全く違った、穏やかな山道である。それでもちょっと急な下りにはロープが設置されている。
高度を落として行くと草いきれとセミの鳴き声。どんどん暑くなってくる。このような低山でも、頂上付近はやはり涼しかったのだ。

小広い台地で方向を変え、古い轍(わだち)のついた林道のような道となる。ガイドでもここは林道と紹介されていて、先ほどの台地には駐車場(P)のマークが付いているが、まさかこの道を車で上がる登山者はいないだろう。デコボコで草ぼうぼう、山道と変わらない難路である。
最近は五十沢登山口からの道がよく利用され、こちらの大月コースはあまり歩かれていないようだがその理由がわかった。車で来にくいのだ。

少し行ったところで水場を見つけてほっと一息。あとはたんたんと林道を下る。
上大月の集落からは金城山が大きく、堂々と聳え立っている。時々振り返ってその雄姿を見上げながら、国道まで歩く。周囲は一面の田んぼ地帯で、コシヒカリの里新潟に来ているのだという思いを強くする。

清水からやってくるバスに乗る予定だったが、結局、清流館温泉センターを経て六日町駅まで歩いてしまった。

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