滝子山に行く予定だったが、朝起きれず、ふとんの中で悶々としていた。しかしやはり思い直して出かけることにした。
もう10時を過ぎている。中央線沿線の登りやすい山にした。以前、同じ様な時間に出て百蔵山に登ったので、今日は隣りの扇山とする。
南尾根コースから鳥沢駅付近、中央自動車道を見下ろす。正面は三ツ峠
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梨の木平まで車で上がってしまえば、午後からの歩きでも十分時間は足りる。問題は梨の木平に行くまでの間、道に雪が残っているかだ。まだ車で雪道を走った経験はゼロ。チェーンは持っているが装着したことがない。まあそういう状況になったら着脱のいい練習になると思い、とりあえず車で行くことにした。
四方津駅の先から住宅を縫うように、坂を車で上がっていく。大月カントリークラブ(ゴルフ場)を右から回り込んで梨の木平の駐車場に着く。もう時間が遅いのか、他に1台停まっているだけだった。
雪は全く無かった。先週末の大雨は、標高1000m程度の山では雪にならなかったようである。
もう12時過ぎだ。手早く支度をして、トイレの脇から登山道に上がる。振り返ると杉の木の間から富士山が大きな姿を見せていた。
| 富士山を望む |
| 雑木の尾根に |
| 相模湖方面を見渡す |
| 広い頂上 |
| 芽がふくらむ |
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登山道は杉の森の中を、ただひたすら登っていく。途中で眺めのいい場所があるでもなく、はっきりいって面白くない道だ。しかしよく踏まれているし歩きやすい。時々下山してくる人に会う。もう、そんな時間だ。
水呑杉とある水場をを過ぎると、すぐ上に山の神が祭られていた。目立ったポイントといったらこれくらいだ。
さらに植林帯の急な登りは続く。ようやく杉林を脱しつつある地点で、右手に道が分かれている。「ツツジ群生地 4月末~5月見頃」とある。それで思い出したが、扇山に新しい登山道が出来たという記事を少し前に山の雑誌で読んだ記憶がある。おそらくツツジ群生地の尾根筋に登山道が開かれたのだろう。
ピストンはつまらないので、下山はツツジ群生地コースを行くことにした。
周囲は自然林となり、背後に展望が開けるようになる。大きな富士山が現れる。百蔵山や扇山から見る富士山は、実に均整のとれたいい姿をしている。富士山眺望のメッカ、三ツ峠から見る角度と近い。
ジグザグに登っていくと稜線に出る。これは百蔵山からの縦走路で、扇山へはもう一投足の距離だ。稜線に雪は全くない。いくら温かい雨が降ったといっても、少しくらいは雪が残っていると思っていたので、これはずいぶん意外な光景だった。
乾いた登山道を少し登ると扇山頂上である。まだ数グループが滞頂していた。
扇山頂上からは、富士山の他に東面の東京都心の眺めも広い。また、北側は奥秩父の山々の白さが際立っている。一瞬南アルプスが見えているのかと勘違いした。どうやら先週末の雨は、2000mを越える峰では大雪になったようだ。
時刻は2時近くなっていたのだが、飽きのこない展望にありつくことが出来た。扇山頂上部は、休憩にもってこいの広い草地になっている。
もう少し季節が進んで春の日差しが実感できるようになったら、ここは昼寝適地になると思う。
下山は隣りの大久保山(1109m)に寄ってから、予定通りツツジ群生地コース(南尾根)を行く。梨の木平ほど踏まれている道ではなく、少々ヤブっぽさはある。ちょっと高度感にさらされるところにはトラロープが付いている。
やがて指導標に出会う。左は扇山頂上、右は下山コースだ。この後急な下りが続くものの、コナラなどの自然林が豊富な尾根道である。もちろんツツジも多い。日当たりのいい場所になると、木の芽が膨らんで芽吹きが近いと思わせる木も多い。
トラロープが張られた急坂が続く。自然林の尾根道は続き、眼下に中央高速や大月の町並み、そして富士山も見られるようになってきた。植林帯だらけだった梨の木平からの道とは、樹林も登山道の雰囲気もまるで違う。
南尾根コースはやはり、新緑の時期に歩いてみたいコースである。ただし、今のような冬枯れの季節でも、眺めが得られる自然林の道として歩く価値はあるだろう。
大月ゴルフ場がすぐ下に見えてくる。幼植林の中をジグザグに下る。まだ木の背が低いので、前道志の山々がよく見える。
車道に下り立った場所は、梨の木平から5分ほど上ったところだった。足元にオオイヌノフグリが咲いていた。
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