|
|
2010年7月10日(土)
|
◇ | | 代々木駅 | 5:58 |
中央線(電車遅延) |
6:50 | | 八王子駅 | 7:05 |
中央線 |
8:04 | | 甲斐大和駅 | 8:10 |
栄和交通バス |
8:55 | 小屋平 | ◇ |
9:40 | 石丸峠 | ◇ |
10:00 | 天狗棚山 | 10:10 |
10:55 | 小金沢山 | 11:00 |
11:30 | 牛奥ノ雁ヶ腹摺山 | 12:05 |
12:35 | 川胡桃沢ノ頭 | ◇ |
13:00 | 黒岳 | ◇ |
13:20 | 白谷丸 | 13:35 |
14:00 | 湯ノ沢峠 お花畑往復 | ◇ |
14:35 | 湯ノ沢峠 | 14:40 |
15:20 | | 焼山沢登山口 |
車に拾われる |
15:55 | | 甲斐大和駅 | 16:02 |
中央線 |
17:21 | | 立川駅 | 17:22 |
中央線 ホリデー快速 |
17:48 | 新宿駅 | ◇ |
|
土曜日は、友人と3人で三ツ峠の予定だった。前の日の朝の天気予報で雨マークがついていたら延期、ということにしていたら、そうなってしまった。
雨は明け方までで、日中は晴れ間も覗くとのことなのだが、天気マークは雨のち曇りなので、予定通り延期となった。 しかしその後、予報はどんどん上方修正されたので、急ごしらえで予定を立てて、一人で出かけることにした。三ツ峠でなく、電車とバスで行ける大菩薩の山、小金沢連嶺に登ることにする。
中央線は人身事故で遅れているようだ。八王子駅で乗り換えると、sanpoさんと鉢合わせ。御坂黒岳に登るところが、電車遅延の影響により行けなくなり、同じく大菩薩の牛ノ寝通りに予定変更とのこと。
ルートは石丸峠までいっしょの行動となる。
天狗棚山から、熊沢山(左)と奥に大菩薩嶺を望む
|
甲斐大和駅からバスに乗り込む。バスは天目、嵯峨塩鉱泉を過ぎて山深く入っていく。
小金沢連嶺のコースは、このバスが運行されるまでは、日帰りプランでは厳しかった。以前、上日川峠までタクシーで上がって縦走したことがあるが、裂石の登山口から登ってこの尾根を歩き通すのは一般には難しい。
甲斐大和駅から出るバスは、大菩薩連嶺のルートをとても登りやすくしてくれた。
上日川峠にひとつ手前、小屋平でバスを降りる。すぐにカラマツ林の急坂が始まるが、40分くらいで緑色の稜線が望めるようになる。 黒々とした小金沢山の背後に富士山。見るのはもう2ヶ月ぶりだ。バックが白っぽいが、端正な姿が裾野から雲に隠されることもなく見られ、これで十分満足である。
| 小屋平バス停 |
| 富士山とご対面 |
| 緑の絨毯 |
| 小金沢山を目指す |
| ヤマオダマキ |
|
さらに10分ほどで、石丸峠に着く。熊沢山のすっきりとした緑の草原、甲府盆地の眺め、そして青空もいっぱいだ。昨日の雨が梅雨の湿っぽさを持って行ってくれたのか、空気はカラッとして気持ちいい。一足先に夏山の雰囲気を今日は楽しめそうである。
牛ノ寝通りを予定していたsanpoさんも、この好天で小金沢連嶺に予定変更。牛ノ寝通りはどちらかというと樹林を楽しむコースで、新緑や紅葉時に歩きたい場所である。
その牛ノ寝通りへの道を分け、広々とした草原を緩く登ると天狗棚山である。
周囲の山肌はちょうど、茶色から緑に移り行く段階で、あと1週間もすれば鮮やかな緑のじゅうたんになるだろう。花はまだ少なく、ウマノアシガタ、ヤマオダマキを見るくらい。7月も下旬になればコウリンカやオトギリソウ、マルバダケブキなど賑わってくるはずだ。東北や新潟の山と比べると、花期が違う。
この草原の花の一番の見頃は、マツムシソウの咲く8月中下旬から9月にかけてである。天狗棚山からは富士山が見えないが、奥多摩の山々がくっきり眺められる。
緩く下ると狼平。ここも広々として開放的で、山登りの苦しさとは無縁な場所である。けれど少し、寂しげな雰囲気もある。「またここで逢おう」のプレートもまだあった。
レンゲツツジをひと株見るが、もう見頃は過ぎた。このあたりはレンゲツツジの木が多い。
ここから先はしばらく、しっとりとした樹林の中の道となる。
標高をそれほど上げたり下げたりしているわけでもないのに、見通しのよい笹原となったり、針葉樹の中になったりする。大菩薩連嶺の南北に伸びる尾根は北側が樹林、南側が草原で形作られている。不思議な自然の造形美である。
石丸峠から仰ぐ小金沢山はけっこうすっきりした山容だが、山頂までの道のりは意外と長い。
木の根をまたいだり緩いアップダウンをこなしたりして、完全に斜度を失ったところが小金沢山頂上である。ハクサンシャクナゲが少し咲いていた。
以前と比べて、南側もずいぶん樹林が伸びてきたがまだ眺めはいい。しかし富士山は半分以上を雲に隠されてしまった。
南斜面、草原の道に変わる。以前は笹深かった道で、尾根を外さないように注意して踏み跡を追ったこともある。今はせいぜい、ひざから腰下程度の笹の高さになっている。笹の生育はどんな環境の変化に影響されるのだろうか。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山で休憩する。今日は見えないが、南アルプスが一直線で眺められる場所である。sanpoさんのザックはまるで、ドラえもんのポケットのように、お菓子や果物などいろいろ出てくる。ありがたくご馳走になった。
自分はいつも、荷物が重くなるのを嫌って、自分が食べる分ギリギリの食べ物しか持ち歩かないのだが、本当はこれはいけないと思う。sanpoさんのように、人にあげられるくらいの分を非常用として携行しておくべきなのだろう。
話は違うが、以前避難小屋に泊まったとき、ザックから一升瓶の焼酎を取り出し、自分たち同宿者にふるまう人がいた。珍しい人もいるもんだと思ったら、その後こういう気前のいい登山者がけっこう多いのを知って驚いた。
山での飲食は、下界とはまた違った趣と交流を生むものである。
| 狼平 |
| ハクサンシャクナゲ |
| 樹林帯へ |
| 白谷丸 |
| 笹のトンネル |
|
引き続き緩やかな稜線を行く。樹林帯の道は次第に傾斜を増し、小1時間で一等三角点のある黒岳だ。
山頂は周囲の木が切られ明るくなっているが、展望はない。一等三角点なのだから昔は広い眺めがあったのだろう。
「やまなしの森百選」の標識を見て間もなく、再び眺めが開ける。小金沢連嶺後半のハイライト、白谷丸の草原に着く。主稜線から少し外れている白谷丸山頂へは、笹の細道を辿っていく。ヤマオダマキ、ウマノアシガタ、ウスユキソウを多く見る。
眺めのいい白ザレの山頂部にはシモツケや開花したばかりのヤマハハコが咲いていた。風が通り気持ちのいい場所である。東側には雁ヶ腹摺山が高く、派生する吹切尾根も夏色の緑の衣を纏っている。
小さな登り返しのあと、湯ノ沢峠へは一気の急下降となる。左手にはガレ場があり、間違って立ち入らないようロープで仕切ってある。滑りやすい道をどんどん下っていくうち、両側の笹の丈が身長ほどになり、ついには笹のトンネルとなった。
この下りは4回目なのだが、前はこんなトンネルにはなっていなかったと思う。先ほどの小金沢山付近は笹原の退化が目立っていたが、このあたりは逆に勢いがいい何度か背をかがめながら笹をくぐっていくと、突然ぽっかりと開けた平地に出た。唐突に湯ノ沢峠に到着である。
縦走はこの峠で一区切りなのだが、今日は花も少なかったし、できれば大蔵高丸まで足を伸ばしたい。下山せずそのまま直進する。
「大蔵高丸のお花畑」、標識に書かれた文句と比べて、実体はちょっと違うが、8月の後半には花の種類も増え、なかなかの見ものとなる。
今日はそれでも、シモツケ、ヤマオダマキ、タムラソウ、ウスユキソウ、ノイバラなどが見られた。カイフウロも一輪だけ咲いていた。カメラを持っている人と何人も行き交う。
このまま大蔵高丸まで登ろうと思ったが、時計を見ると14時半を過ぎている。下山後の林道歩きも長いので、引き返すことにした。
湯ノ沢峠から柳木場沢沿いに下る。今年1月下旬に歩いたときは薄く雪が積もり、沢の水も少なかったが、今日は昨日の雨のせいか水量が多い。
水際に咲くクリンソウを期待したが、すでに花の終わった1本を見たのみだった。それにしても沢沿いなのに花のない道だ。
暑苦しさはそう感じることなく、40分ほどで焼山沢登山口に着く。
sanpoさんと話しながら林道を下っていくと、「乗っていきませんか?」と車が停まってくれた。さっき沢沿いで追い越した人だ。ありがたく甲斐大和駅まで乗せてもらうことにした。
標高を下げていくと、駅周辺には夏の暑さがあった。山の上は本当に涼しいと実感する季節になった。梅雨明けもすぐそこまで来ている。
近くのコンビニでビールを買い、4時過ぎの中央線で帰京する。
|