山の写真集 > 日本アルプス > 蝶ヶ岳から大滝山、徳本峠
  • -槍穂の展望台から歴史ある峠へ-
  • 上高地-徳沢-蝶ヶ岳-大滝山-徳本峠
  • 北アルプス
  • 長野県
  • 長塀山(2565m),蝶ヶ岳(2677m),大滝山(2616m)
  • 2016年7月23日(土)~24日(日)
  • 14km/17.9km
  • 5時間20分/7時間10分
  • 1170m(上高地-蝶ヶ岳)
  • 蝶ヶ岳ヒュッテ(テント泊)
  • 沢渡温泉木漏れ日の湯
  • マイカー, シャトルバス
天気1
天気2

 

↓マウスドラッグ可能↓

全体地図へ Googleマップ
2016年7月23日(土) 前日発
五反田IC 14:30
  首都高
中央自動車道
長野自動車道
松本IC 18:20
  国道158号
道の駅風穴の里 泊
4:50 沢渡大橋駐車場 5:13
  シャトルバス
5:45   上高地
6:30   明神
7:15 徳沢 7:30
8:40 平坦地 8:47
10:25 長塀山 10:35
11:05 妖精の池 11:10
11:40 蝶ヶ岳(長塀ノ頭) 15:00
15:55 蝶槍 16:10
16:40 蝶ヶ岳(テント泊)
2016年7月24日(日)
6:10   蝶ヶ岳
6:41   鞍部
7:27 鍋冠山分岐
7:35 大滝山北峰 7:45
7:50 大滝山荘
7:57 大滝山南峰 8:05
10:00 大滝槍見台 10:15
11:02   明神見晴 11:07
11:32   2247m三角点 11:40
12:02 徳本峠 12:22
13:15 林道
13:40   明神 13:45
14:30 上高地 14:40
  シャトルバス
15:10
沢渡大橋駐車場
沢渡温泉入浴立寄り
16:00
  国道158号
17:05   松本IC
  長野自動車道
中央自動車道
首都高
21:10 五反田IC

 

  Page 1 2   

金・土・日と休みだが、中部山岳の空模様があまりよくない。天気の心配のない新潟の山に登ろうと予定していた。しかし、直前になって北アルプスもそんな天気は悪くなさそうと判断できたので、急遽方針変更した。
蝶ヶ岳は過去にも登っているが、花の季節は初めてだ。同じく初歩きとなる大滝山から徳本(とくごう)峠への長い尾根道は展望もなさそうで、こういう天気のはっきりしないときに歩いておきたい。行程的には何とか一泊でいけそうだ。


開放的な蝶ヶ岳(長塀ノ頭)山頂部付近

いつも賑わう上高地を出発

いつも賑わう

河童橋から見上げる穂高連峰には、滝雲が流れていた

滝雲流れる

梓川の向こうには、明神岳が青空にまぶしい

りりしい姿

木々を通して日が差し込む徳沢園

木漏れ日の山荘

長塀尾根は、木の根の張り出した登りで始まる

木の根張り出す

急登の続く長塀尾根。登山道はよく整備されている

急騰続く

蝶ヶ岳まではキロ数で表示されている

キロ数表示

妖精の池は周りがお花畑となっていた

池の周りはお花畑

クルマユリ(妖精の池)

クルマユリ

ハクサンフウロ(妖精の池)

ハクサンフウロ

草原のお花畑の中を通って、蝶ヶ岳を目指す

花を見ながら

ハクサンイチゲ(蝶ヶ岳手前の船窪鞍部)

ハクサンイチゲ


金曜は登山口へのアクセスのみに費やす。道の駅「風穴の里」で車中泊し翌朝、沢渡(さわんど)大橋の駐車場へ。ここから上高地まではバスとなる。
沢渡には幾つかの駐車場があるが、一番手前の沢渡大橋に停めた方が、シャトルバスに座っていける可能性が高い。

曇りがちの空は、おそらく雲海になっているのだろう。大正池まで標高を上げると青空が覗き始め、池を前景に穂高連峰が神々しいまでのシルエットを形作っていた。
上高地を6時前に出発。いつもの上高地。朝から多くの人で賑わっている。河童橋から見上げる穂高は滝雲がまとわりついていた。キャンプ場を抜け遊歩道を歩いていくと、筋骨隆々としたいでたちの明神岳が青空の下にあった。
明神から先、歩いているのはザックを背負った人ばかりになる。明日戻ってくる予定の徳本峠からの道を確認する。梓川越しに北アルプスの峰々がきれいに見えている。この天気が何時くらいまで続いてくれるか。

徳沢に着く。上高地からは1時間半くらいだった。今までで一番早い。ベンチで一休みする。
ここからが今日の核心だ。長塀尾根は登りも下りも歩いたことはあるが、眺めのない単調できつい登りが続く印象ばかりが残っている。蝶ヶ岳への最短路であることが魅力だが。
徳沢園の奥から登山道が始まる。木の根の張り出した滑りやすい登りがさっそく始まった。少しして振り返ると、徳沢の草地がいつの間にかはるか下になっていた。
荷物も重いので、歩幅を意識して小さめにして登る。登りの時は、歩幅は自分の足の大きさくらいにするのがいい、と登山初心者のころ教わった。それはあまりにも小さすぎやしないかと、その当時は思ったものだが、今はそれが合理的な歩幅だと納得できる。下界を歩くように大股だとスリップしやすいし、疲れ方も早い。急がば回れの考え方である。歩幅を狭くすることで、早く早くと焦る気持ちを静めることにもつながる。

淡々と登り、広場と言われる平坦な場所に登り着く。以前歩いた時にはなかった、蝶ヶ岳と徳沢へのそれぞれの距離が書かれた標識が立つ。木の間からは、穂高の稜線が見え隠れしている。まだ雲はかかってはいない。
コメツガの深い樹林帯はひんやりして気持ちがいい。いったん南の方向に進んだ後、折り返すようになるとジグザグだった登りが直登気味に変わり、さらに大変な登りになる。進行方向右側の、安曇野方面は空が白っぽい。9時過ぎにして早くも雲が湧き立ち始めたようだ。
林の中の池を見て、ようやく傾斜が緩くなってきたが当面の目的地である長塀(ながかべ)山にはなかなか着かない。次に見えるピークがそうかと思い登ってみるが、何度か騙された。

ようやく着いた長塀山山頂には数名の登山者がいた。ここも眺めはないが、苦しい登りを終えたこともあり安心してくつろげる。
今日のゴールまでまだ距離はあるものの、標高差は100mを残すのみである。木の枝から見える穂高の山はすでに、上の方に雲がかかってしまった。

長塀山から少し下ったところの小さな池の周りには多くの花が咲いていた。モミジカラマツ、クルマユリ、ハクサンフウロ、ミヤマキンポウゲ。反対側の斜面にはテガタチドリも。その先の妖精の池にはさら大きなお花畑が。蝶ヶ岳までの緩やかな稜線にはあちこちが草原になっていて、お花畑ができている。オンタデ、ウサギギクも多く見られる。
蝶ヶ岳頂上直下は船窪地形の鞍部になっており、ハクサンイチゲとミヤマキンポウゲのお花畑だった。まだ開花したばかりで花が初々しい。花はほとんど終わっていたがチングルマも見られた。これが見られれば一泊だけでも北アルプスに来たかいがある。

蝶ヶ岳山頂からは穂高連峰が目の前。上部は雲に隠されてしまった

雲は出ても

イワツメクサ(蝶ヶ岳)

イワツメクサ

蝶ヶ岳三角点、蝶槍へ向かう森林限界上の快適な稜線

快適な稜線

蝶槍ピーク

蝶槍ピーク


最後のひと登りで蝶ヶ岳(長塀ノ頭)に到達。目の前の槍穂高は残念ながらすでに雲の中だが、蝶ヶ岳ヒュッテから常念岳へ続く開放的は稜線はまだよく見える。今日は花が見れてよかってが、この山はやはり、槍穂高の眺めが得られてこそ価値がある。
まだ時間が早かったせいか、テン場は空いていて、平坦な場所が取れた。テントを設営して、ビールを食らって食事して寝る予定だったが、横になって休んでいるうちに、まだ少し歩きたくなってきたので、蝶槍まで往復することにする。
登山道に高山植物は少なく、オンタデ、チシマギキョウ、イワツメクサくらいを見るのみ。槍穂高の勇姿も見られないのは残念だが、1年ぶりの北アルプス、森林限界を越えた稜線歩きはやはり気持ちがいい。
横尾から登って来る道を合わせ、ほどなく蝶ヶ岳三角点、すぐに蝶槍の尖ったピークが目の前となる。岩の突き出たところをひと登りしてその蝶槍に立つ。展望は360度だが、ずいぶんと雲が出てきて、歩いてきたヒュッテからの稜線も乳白色の中だ。常念岳からの縦走者が次々とやってきて、蝶槍ピークはたちまち満員に。

来た道を戻ることにする。三角点の東側の斜面には、ニッコウキスゲの群落があった。
テントで少し寝て、夕方になって外に出るとあたりは深い霧に包まれていた。夜も、星が見えていた時もあったが、夜明けが近づくと稜線は再び霧の中となった。